2005.07.21

24時間の奪い合い

 「文化通信」にビデオリサーチによるこの4年間のメディア接触時間が紹介されていた。
  新聞が34→34分
  雑誌は24→22
  ラジオは42→38
  テレビは188→179
それに対して
 インターネットは23→39分と伸びている。

 インターネットが新聞、雑誌、ラジオを抜いたというわけだ。
 面白いのはこの5媒体の総計を出してみると311~312分とほとんど変わらないことだ。

 辞書・事典・リファレンスの類や熱心な読書家の積読(つんどく)などという備蓄型のコンテンツもあることはあるが、ほとんどのコンテンツは時間消費型なのである。
 だから人の持ち時間24時間が増えな以上は各媒体は時間の奪い合いになるということだ。

 それにしてもテレビの180分というのはダントツだ。インターネットがもてはやされても未だテレビの王座は揺るいでいない。ここも押さえておきたい。
 書籍への接触時間というのはどうなっているのだろうか。数分というとこなかな。

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2005.07.15

マルチBookプレーヤー

 ブックフェアのPanasonicブースにΣブックの次期モデル「マルチBookプレーヤー」が参考展示されていた。

 大きさは少し厚めの文庫程度。片面のカラー液晶で解像度は200PPI程度。重さも300グラム程度とΣよりは軽くなる。
 Σブックが読書専用端末を謳っていたのに対して、今回のモデルは読書ビュアであるだけではなく、写真や動画、音楽再生などもできる。コンテンツ再生ビュアだ。
 動画対応、バックライト付きカラー液晶などΣブックとは一線を画したビュアだが、それだけに心配なのは電池のもち。説明ではフル充電で数日は持つというから問題はなさそうだ。

 ネットワークにはまだ未対応とのことだが、さまざまなコンテンツが再生できるとなれば、ケータイより遥かに良い画面だけにいろいろな使い方が考えられる。

 出展モデルにはボタンはついていない。ディスプレイ横のセンサーを使って操作するのだそうだ。そのためデザインはなかなかスマートだがさまざまなコンテンツを操作するとなると果たしてセンサーだけでスムーズに扱えるか、実際に動作を確かめられなかったのでちょっと心配だ。

 今や「電子書籍」を読めるのは携帯端末としては当たり前の時代だ。携帯電話も電子辞書もPDAも読書ビュアになる。だから「読書専用端末」というコンセプトは通用しない。欲しいのは良質なディスプレイを持ったコンテンツ再生プレイヤーだろう。その観点からはとても期待ができる企画だ。発売時期はまだ未定とのこと。一日も早いリリースを期待しよう。

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2005.07.14

書下しケータイマンガ

 今年から7月になったブックフェアがこの日曜で終わった。文具ショーとの共催で初日から最終日までお客さんの入りは例年より良かったようだ。
 今年の電子出版関係は何といってもケータイ・マンガ。凸版のブースとComic Surfing の開発元セルシスが出した各サイトの共同ブースを中心に盛り上がっていた。

 ケータイ小説は紙本と同じ感覚だが、ケータイマンガは読んでいて新鮮な感じがする。コマごとに分断したことによる効果と細長いコマのスクロール、小さな文字の拡大など、マンガにリズムが組み込まれた感じだ。

 今のところ既刊マンガの配信が中心だが、書き下ろしマンガも登場するという。どんな表現が生まれるのか楽しみだ。
 既刊マンガを表現するための苦肉の策――吹き出しの拡大や細長画面のスクロール――はたぶん書下しでもひとつの表現手段として使えるんじゃないかな。書下しだったら「吹き出しの拡大」じゃなくて、存在しない吹き出しが現れるなんてことも可能だろう。

 シャープもXMDFを紙芝居仕立てにしたケータイ用のコミックを発表していた。こちらは画面下にセリフを字幕のように配置。
 たしかに文字は読みやすいが、セリフの位置が機械的に決められているって面白みには欠けるのでは。XMDFという文字関連では普及したフォーマットが紙芝居にも取り組むことは歓迎だがこの試作品はちょっといただけない。

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2005.02.09

本を超える

 友人のeijyoさんのブログに電子書籍端末をめぐって、「本を超える」という発想についてのコメントがついている。
 →eijyo - キヤノンSタワーのゲストハウス
 ひとつは「そんなに(紙の)本は駄目ですか。」というコメント。もうひとつは。「本を超えようという考え」ではなくて「本とは別の新しいメディアを創るという発想が必要」というコメントだ。

 両方とも同感だ。たしかに紙の本はたいへんよく出来ている。

 ただ紙の本はそのままで良いのかというとそれも違う。紙の本はあまりにコストがかかりすぎる。流通もたいへんだ。そしてスピードに欠ける。
 よく、すでに出来上がり、手に入った本を片手に「紙の本はすごい」というが、その裏で作れなかった本、手に入れるのがとても困難な本、そしてもう手にはいらない本が山のようにあることを忘れてはいけない。
 出版という業種から見ればこのことが一番問題なのだ。同時に読者にも迷惑をかけている点だ。これは「本を超える」でも「別のメディアを創る」でもない。現にある切実な問題を技術の力で解決したいということなのだ。

 「本を超える」も「別のメディアを創る」もやはり少し肩に力が入りすぎのような気がする。携帯で読書をしている人はべつに「本を超えている」とも「別のメディア」とも感じていないのではないか。
 携帯読書を始めたご当人も知っているが、そんなに肩に力を入れているとも思えない。iモードで何かやれないか。じゃあこんなの面白いんじゃないの。ねぇあなただったらケータイで読んでみたい?そんな感じだ。

 本の企画の一番大切なところは自分が読みたいということだろう。読書用の端末だって読書用のフォーマットだって同じことだと思う。
 私は読者としてよく「電子媒体で出てくれればなぁ」と感じる。単にそのほうが便利とかそのほうが気楽とかいうレベルでこの問題を考えている。

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2005.01.29

風呂用本

 少し古いネタだけど風呂用の本があるらしい。

asahi.com : BOOKアサヒコム : 出版ニュース

 風呂で本を読みたい人って結構いる。でも風呂で本を読むと紙が湿気すって本が膨れ上がるんですよね。
 携帯電話で防水って今あるのかな。昔あったような気がするが。もしあればそれで風呂ケータイ読書ってのが一番よさそうですね。

(追記)
 携帯電話用防水ケースってのが結構売られているらしい。見つけたら一度風呂ケータイ読書にトライしてみよう。
 上記の風呂用本は有限会社フロンティアニセンで売っている。


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2005.01.17

多層化する情報

 先週ある会に出席した。(eijyo - コスモピアで討論会)

 5名の方が辞書編集者なので、自然に、はてなキーワードやWikiPediaの話になり、
中略
はてなキーワードは「ビル・ゲイツ」のように不正確で一方的な解説があったり、大辞林からの引用があったりと危ない面もある。 …

 blogやWikiだけの話ではないが、ネットが出現して情報が多層化した。
 今までは出版物や新聞などオーサライズされた情報と口コミなどの非オーサライズ情報とがあって、信用度も単純に分かった。情報行動のほとんどがネットとなった現在、情報をどう受け止めるかについていろいろ考えなくてはならない時代だ。
 その弊害を言うことは簡単だが、あまりオーサライズされない情報も受けることが可能になったことはとてもありがたいことだ。
 オーサライズされると、新規なこと、小さなこと、タブーなどは無視される。あまり新しいことだとオーサライズする暇がないし、小さなことだと必要な費用がでない、タブーを扱うのは危険だ。でも「真理は少数者にあり」。本当に必要な情報はそんなところに隠れている。
 問題はオーサライズのためには手間隙と費用が必要なのだが、無料コンテンツで充足してしまうとその社会的費用が回収できないことだ。結果、オーサライズされた情報がなくなる。多くの人が発信する時代であっても、出版社の役割が必要なはずだが中々これには答えが見つからない。
 「電車男」のように、ネットは無料→印刷本は有料→印刷本で読者が広がる、有名になる。
というのもひとつの解だろうが、こいつは現時点での一時的なことだと思う。

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2004.11.16

はてな NintendoDS, SONY PSP どちらが売れそうですか?

 「はてな」で
はてな NintendoDS, SONY PSP どちらが売れそうですか?というアンケートを行っている。

 このアンケート結果ではDS 531に対してPSP 1191。圧倒的に,SPだ。

投票はもう終わっているが私が投票するとすればDS。コンテンツ次第だかニンテンドウの蓄積しているコンテンツは厚さが違う。ゲーム機ならゲームが揃っていないと。
 PSPは少し年齢が上の層をターゲットに考えているのかも知れない。それにしてはまだコンテンツが薄い。

 すぐれた携帯情報端末を渇望しているものとしてはPSPにとりあえず魅力を感じるが、DSの2画面構成という仕掛けにもちょっと創造意欲がわいてくるのだ。そしてゲーム派としてはやっぱりDSだな。

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2004.11.15

30年後

 今年の秋はエディタスクールで電子出版の講義を受け持つ機会を得た。6回(全7時間)で駆け足で一通りの話をした。聴衆は出版社に入りたい若者だ。

 セミナーなどで話をする時は今の話と少し先の話をすればよい。商売で取り組んでいる時はこれが一番の話題だろう。
 若い人を相手に講義をする時は困る。彼らは(望みどおりに出版社に入ることができれば)これから30年間、出版社と運命をともにすることになる。そんな先の話は分からないし、どうしても他人事になる。

 我々の年代が彼らと同じ時は出版界のもっともよい時代だったのかも知れない。良い時代の最後の余勢で電子出版を立ち上げてきた。気がつくと自分の時間は残り少ない。残り少ない人がその先まで本気になるのは難しい。この辺りに高年齢化した出版界の問題もあるのかも知れない。

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2004.11.11

ケータイマンガ

 最近ちょっとはまっているのは「ケータイマンガ」。
 ケータイのせまい画面でマンガを見開きで見せるわけにはいかない。だから見開き画面はもちろん見えない。ひとコマひとコマ、ボタンを押すたびに紙芝居のように見えるだけ。おまけに吹き出しは小さすぎて読めないことがある。
 誰がケータイでマンガを配信しようとしたのか取材不足で知らないが、こんな無理難題を解決してみるとこれが面白い。
 吹き出しが小さすぎて読めない時はボタンを押すと吹き出しだけが拡大する。
 横長のコマや縦長のコマでは最初は全体を見せず、ボタンを押すとスーっと画面が移動する。
 もちろんこれは原作を忠実に再現してはいない。でもケータイの画面に納めるためにいろいろな工夫や演出を凝らした結果、原作のケータイ化に成功している。映画化みたいなもんかな。
 初期のケータイ化と思われるものでは、全体を表示できるような操作とか、自分で上下左右にスクロールできるような操作もあるのだが、最近は制作している人がこれが一番というパターンを提供してくれる。それが何とも心地よい。
 何でもできますよ、いろいろできます。これは道具を売るときのセリフで作品を売るときのセリフではない。ただ単にあなたのリズムでボタンを押してください。後の演出は責任を持って提供します。プロのセリフではないか。
Handyブックショップ

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2004.11.10

PC・PDA・携帯電話の電子書籍利用実態調査

 シード・プランニングから「PC・PDA・携帯電話の電子書籍利用実態調査」という調査報告書が出た。
 A4 / 198ページで99,750円という高価な報告書だが、さわり部分はWebでも公開している。
 http://www.seedplanning.co.jp/-/mag/00201_01/index.html
 PC派・PDA派・携帯電話派・専用端末派と利用機器別に集計しているところが面白い。

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