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2004.04.16

本の手触り

 「がびのテラス」で電子書籍ではどうしても満足できない点があるとgabyさんが指摘している。電子本の熱心な読者であったというgabyさんの指摘だけに説得力がある。

gaby's terrace @Perth | 「電子ブック」を考える

随筆、小説、またはその他のジャンルにかかわらず、あるひとにとって「良い本」というものは、その中に「書かれたもの」だけを指すのではない。装丁と呼ばれる芸術、紙の種類、そしてフォントに至るまで、全てが「書かれたもの」に付随して、「読む」という楽しみを高めてくれるのだ。
手にとって何度も読み返した読者には、たとえ文庫本であろうとも手触りからかすかな紙の匂いまでが、「書かれたもの」と一体となって記憶に残ることが多い。

 現在の電子本ではどんな本でも内容以外は同じ雰囲気になってしまう。そこが何とかならないのかという課題がひとつ。
 そしてそれらが解決したとしても最後に残るのは本の手触りとでもいうことなのかなぁ。物体としての本の力ですね。これは解決できないもしくは解決しても仕方ないのでは。たとえば江戸の草紙と明治の活字本を単純に比較してもはじまらない。基本的に別のものなんでしょうね。

 でも最初の課題は努力の必要がある。いろいろ考えられるがひとつだけ書こう。
 たとえば電子本のファイルはすべてフォーマットごとの同じアイコンだ。これでは本を読んだ記念碑がない。アダルト本も専門書も同じアイコン。厚い本もペラペラの本も同じアイコン。とても平板で殺風景だ。本毎にアイコンが違っていて当然だと思うのだ。
 最近の読書ビュアはビュアの中に本棚を持ってはいるが、ビュア毎の本棚って読者にとっては迷惑なだけ。自分の本棚が他人の都合でバラバラになっているようなものだ。
 本というのは終局的には頭の中に残っているものなのだが、それを思い出させる記念碑とでもいうものが本棚なのだ。各フォーマット共通の本棚ソフトみたいなもので、この辺りだけでも解決はできないものだろうか。

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2004.04.15

大学受験向けIC辞書

 大学受験にターゲットを絞ったCanonのIC辞書。古語や日本史・世界史も収録している。
 自分だけの単語帳が作れる機能やテスト機能って辺りはおもしろそうだ。
電子辞典ワードタンク C30

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東京ブックフェアにT-Timeブースが登場

 東京ブックフェアに新潮社、講談社、筑摩書房、NTTソルマーレ、東芝、ボイジャーの6社がT-Timeの共同ブースを出店する。
 
6社共同出展

T-Timeのプレゼンテーション以外にゲスト・スピーカーの講演もあるらしい。ゲストのメンバーが充実している。有料セミナーよりこちらがお勧めだ。

杉浦康平:ブックデザイナー
松田哲夫:パプリッシングリンク社長
岡田一男:東京シネマ新社代表
浜野保樹:東京大学教授
中島信也: CM ディレクター
寺井弘典:映像プロデューサー
野々村文宏:評論家和光大学助教授
ボブ・スタイン:"Institute for the Future of the Book"代表
富田倫生:「青空文庫」主宰
片山雅博:日本アニメーション協会理事
田辺浩昭:『猫乃電子出版』代表

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2004.04.14

見出しの著作権

 見出しに著作性があるかどうかで争われた事件の判決文速報が「裁判所 Cort in Japan」に載っている。(東京地裁 平成14(ワ)28035)
 著作性ありと主張するために具体的な見出しが列記されていてなかなかおもしろい。
 見出しを考えるのは難しい。それが売りだったりする。でもそれに対するリンクを著作権違反とされても実際上は困る。引用の扱いであれば問題は発生しないはずだが、関連記事へのリンク集などでは見出しだけで構成されることも多い。
 この事件はリンクの仕組みを商売にしている会社と新聞社の争い。何か当事者同士話し合いの可能性はなかったのだろうか?リンクが多ければ誘導されてくる人も多くなるのだから損ではないと思うのだけれども…。まあその可能性がなかったから事件になったのだろうが。
 本の題名だって考えるのは難しいがこんな事件にはならないだろう。もっとも本の題名は金にはならないか。

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電子書籍として出す理由はあるのか?

 「こらむる。」に本格化する電子書籍という記事が載った。
 「電子書籍として出す理由はあるのか?」という問いかけは非常に重要だと思う。
 辞書・事典は紙より機能があるから電子化の理由はある。ただ小説などには電子化の理由はあるのだろうか?
 こらむる。さんは「著者からのダイレクト発信」、「コスト削減による価格の低下」に着目しているが、私は小説や読み物の電子化で一番重要な点は次のようなことだと考えている。

物流の壁がなくなる
・現在出版されている本は50万点といわれるがそれを全部揃えられる店は存在しない。電子化すればそれは可能だ。24時間販売だしや地域の差もなくなる。ネットにつながっていれば「いつでも」「どこでも」「何でも」手に入れることが可能になる。
絶版・品切れがなくなる
・絶版や品切れは紙に印刷するから起こる。紙の本は工業生産物なので1冊だけ刷るようなことはできない。よほど売れ行きが良かった本以外は増刷できないのが現状だ。ほとんどの本は品切れ→絶版という運命を辿る。電子書籍には在庫がないし品切れもない。

 ふたつともすごく大切なことだ。ここが変われば出版はもっともっとよくなるはずなのだ。

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メールマガジンを書店店頭でオンデマンド

まぐまぐとNRI、コニカミノルタが共同で、メールマガジンを書店店頭で印刷・製本・販売する「まぐまぐ文庫」を開始した。
ニュースリリース

 専用の印刷製本機を店頭に設置した書店等が、顧客からの注文を受けた後に、インターネット経由で配信されたメールマガジンの原稿データを印刷・製本・販売します。80ページ程度の書籍であれば、約40秒で印刷・製本することが可能です。

 機械が設置される書店は全国で14店、東京ではジュンク堂、八重洲ブックセンターなど5店。ネット上ではイーブックプリント ドットコムで販売されるようだ。

 リアル書店に機械を設置するというところが注目ですね。オンデマンド印刷はメールマガジンだけでなく専門書や絶版本でも活用できる。おもしろい動きだ。
 このシステムはブックフェアでも展示されるようだ。


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auは電子書籍がいっぱい

 このところauから電子書籍関連のニュースがたくさん入る。残念ながらAUを持っていなので詳細は分からない。電子書籍を楽しみたかったらAUなのかなぁ。

どこでも読書はPDAブック(ミュージックCO.JP)の携帯向け電子書籍サイト。

 PDAはなかなか普及しないが携帯電話はみんなが持っている。PDAブックとしては

1冊ごとに設定された価格を支払うことで本を1冊ずつ購入して読むことができるサービスと、月額315円(税込み)で会員登録すると好きなだけ本が読めるサービスの両方が存在する新しい読書サイトです。
EZ トップメニュー>ケータイ・ツカエル機能>電子書籍>話題の本はココ!>どこでも読書
EZ トップメニュー>カテゴリで探す>TV・メディア>マガジン>どこでも読書
インターネットNo. 51158でアクセス


モバイルコミックはサミーネットワークの動画コミックサイト。

有名漫画家が携帯電話向けに書き下ろした、既存出版作品でない当サイトオリジナル動画コミックです。
「携帯電話でマンガを見る」という新しい楽しさをぜひお試しくさい。

 既存のマンガを携帯で1コマづつ配信する試みはあったが書き下ろしというのは初めて。画期的な試みですね。

月額料金(税込) 315円
アクセス方法 EZトップメニュー→[1]カテゴリで探す→TV・メディア→マガジン→モバイルコミック



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2004.04.12

IC辞書業界が再編?!

 文化通信が報じたLIBLIeの記事の中に気になる部分があった。(2004/4/12)
 LIBLIeはBBeBフォーマットの辞書を表示できる。このフォーマットはソニーのIC辞書と同一でメモリスティックを介して互換性がある。ソニーはLIBLIeの辞書機能は読書端末の付加価値というスタンスだが

(前略)
さらに、電子辞書の最大手であるカシオ計算機と第3位のセイコーインスツルメントは、 ソニーからのライセンスでイーインクパネルとBBeBを利用したハードウェアを開発するといわれている。
(後略)

 あくまで「いわれている」という伝え方だが、BBeBを梃子にIC辞書分野が再編というシナリオは考えられる。なおIC辞書第2位のシャープは4月はじめの発表ではBBeBの賛同会社の中に名前が入っていない。

 どちらにしても50冊も実装したIC辞書が登場するご時世だ。プレバンドル型の競争はもはや行き着くところに来た。逆に英語に特化したIC辞書や受験用と銘打ったIC辞書に注目が集まっている。
 流れはプレバンドルから辞書の選択・交換可能という流れだ。とすれば辞書のフォーマットの共通化は避けて通れない課題なのだ。

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2004.04.09

ビジネス辞書携帯サイトのご紹介

  ビジネス向けの携帯電話向け総合辞書サイトが登場した。
 →ビジネス総合辞書

 経済・法律・ビジネス・株式・略語などビジネス向けの専門用語事典6冊を集めたサービス。有斐閣、日本実業、丸善の3社の辞書をテレビ東京ブロードバンドがサイト展開した。個々の辞書だけで展開するより強力なコンテンツになっている。コラボレーションによる電子出版のよい事例だと思う。
 携帯は若者だけの世界ではなくなりつつある。

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mobile現代用語

 携帯辞書の世界に現代用語の基礎知識が参入した。→「mobile現代用語」
 通常の辞書検索のほかに「Monthly基礎知識」という特別編集の用語集が提供される。
 広辞苑や三省堂などは数十万の会員を集めているという。携帯の辞書の世界は確立されつつある。
 携帯電話は現在われわれの手にすることのできる唯一のユビキタス媒体だ。そこで辞書が成立していることは今後のネット辞書や携帯端末を考える上で非常に心強い。

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ネットワーク認証型のダウンロード・ゲーム

 ネットワーク認証型のダウンロード・ゲームが登場した。Game@NiftySDパークというサービス。
 ネットワーク認証型とは実行時にリアルタイムに購入者かどうかをチェックするシステムのようだ。インターレックス(株)の「Buddy(バディ)」を採用とのこと。この会社同じ手法で電子書籍DRMも開発している。

Niftyのニュースリリース→「Software Download パーク」を開始
インターレックス(株)のページ→ネットワーク認証型の電子書籍DRM

SDパークの説明には

※ SDパークをご利用頂くには、@nifty会員(および@niftyID登録ユーザ)へ登録が必要です。
※ SDパークのタイトルを遊ぶ際には、ネットへの接続が常時されている必要がございます。また、ゲームスタートのたびに@niftyの認証が必要です。
(@nifty会員を解約されますとゲームの利用ができなくなります)

と書いてある。@niftyをやめるとゲームもできなくなるんですね。
 面白いのはライセンスは時限的に設定されている。

※ SDパークでご購入されたゲームタイトルにつきましては、DRMサーバー側でライセンス確認期間を設けております。ライセンス確認期間とはお客様がゲームを  お買い求めいただいてから認証が有効であるか確認することによりゲームをお遊びいただける期間のことです。
ライセンス確認期間として特に定めていない時は販売期間終了日より2年間をライセンス確認期間とします。 一般的にライセンス確認期間が過ぎると当該製品を発売元であるゲームメーカーや@nifty「SDパーク」よりライセンス確認を免除する発表がなされます。

 2年間過ぎたら自由にやれるということなのだろうか?
 まあ試しにやってみようと思ったが

お客様のハードウェアの情報を、ライセンス認証サーバに蓄積する必要があります

と記述されている。認証を受けた機器以外ではやれない可能性があるので家のパソコンでダウンロードするしかなさそうだ。DRMがきびしくなっただけでユーザーフレンドリーな仕様にはなっていない印象だ。ネット認証ならもっと自由になりそうなものだが…
 

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