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2004.02.27

進化しつづける辞典 KOD

 進化しつづける辞書に研究社が挑戦する。
 研究社Online Dictionary(KOD)は研究社の英語12辞書をくし刺し検索できるオンライン辞書だが、注目は新しいことばを追加する「Evolving ― 進化しつづける辞典」であること。月に数百のことばが追加されるというからすごい。

 追加される語の例として「オレオレ詐欺」「ネット心中」「裁判員」などが上がっている。さて何と訳すか?残念ながら体験サイトでは調べられなかった。やはり会員になるしかないか。
 ちょっとユニークなのは「カタカナで引くスペリング辞典」。カタカナで英語の発音を入れるとスペルを教えてくれる。こいつも使えそうだ。

 進化しつづける辞典。ネットワークだからこそ実現する機能だが、編集体制も含めて対応しなければ実現はしない。今までの辞書作りを脱皮する素敵な挑戦ではないか。

 価格も和英大辞典、リーダース+プラスが引けて個人なら月に500円は安い。法人の価格も今でにない廉価。オンライン辞書普及の決め手になるかも知れない。

研究社Online Dictionary 体験版

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NOVAの読書端末用タイトル

 ソニーの読書端末用のソフトを供給するパプリッシングリンクに参画しているNOVAの具体的な出版ラインナップの一部が報じられている。(新文化2004/2/26)
 スタート時に提供されるのは以下の4点。
 『ひとりでマスターする基本英会話』
 『オフィスでマスターできる基本英会話』
 『旅の英会話』
『TOEIC完全攻略600点全パート』
 その他「蔵書」という括りには『ホテルの英語』など12点。その後月4点ペースでタイトルを提供するらしい。

 読み物の電子化は徐々に進んでいるが、実用書など機能を持った本の電子化は辞書を除いてはまだ低調。NOVAという他業界から進出した出版社がこれだけ意欲的な方針を持って参画していることは注目に値する。

→NOVAのパブリッシングリンク参画のニュースリリース
NOVA、電子出版事業に参画-語学コンテンツを読書専用端末で提供

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2004.02.25

ビジネス支援図書館

 品川区にビジネス支援図書館がこの7月開館されるという報道があった(新文化2004/2/19)。
 概要は以下
 区立大崎図書館の2階76坪
 産業・ビジネス関連に特化した図書4000冊、雑誌約50誌、新聞20誌
 日経レテコン21や官報、新聞記事、特許情報、マガジンプラスなどのDB

 リファレンス機能が充実した図書館の登場は歓迎だ。高価なDBが検索できるのは中小会社としてはとてもうれしい。23区では初、全国でも最大級とのこと。こういった図書館が広がれば「図書館貸本屋論」はなくなるだろう。

 なおビジネス支援図書館推進協議会という団体もあるらしい。役員には大学教授や図書館関係者にまじってひつじ書房の松本社長などの名前もある。

追記
「地域の経済2003」(内閣府)にビジネス支援図書館の動向が報告されている。(第1部 第1章 第1節 4.動き始めたビジネス支援図書館)
http://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr03/index-pdf.html
 

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2対10の法則

 新技術の騒がれ方と社会への影響度に関する法則を現すことばらしい。ある種の新技術は最初の2年間は騒がれるがすぐに革命が起こらないことに失望する。しかし10年経って振り返るとその技術が驚くほど影響を与えているということ。

 インフラに近い技術ほどこういった傾向はあるだろう。
 ワープロという機械も騒がれたのは数年だろう。騒がれなくなってからじわじわと浸透し今や手で文字を書くことのほうが珍しくなった。昨今はIC辞書が辞書の世界をほとんど埋めつくそうとしているが、電子辞書のスタート時も騒がれたのは2年程度だったかも知れない。
 書籍という世界もベーシックな世界だ。電子書籍も「ブック革命」などと囃されるが、一気に爆発といった期待はしないほうがよいと思う。でも確実に普及していく。10年先などすぐそこなのだ。

「世界情報通信サミット」(主催日経新聞)のICタグについてのパネルディスカッションの記事中、フェデックスのカーターCIOの発言にこのことばが出ている。googleで調べてもヒットしないので実際に使われていることばかどうかは不明。

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2004.02.20

逆転裁判 3

 ここ数日、逆転裁判3を楽しんでいる。あと少しでクリアというタイミングでGameWatchにレビューが載った。

 厳しく言うと、筆者は「逆転裁判 2」を見たとき、「逆転裁判1.5」くらいでいいと思った。…「逆転裁判 3」はせいぜい「逆転裁判1.6」程度の違いしか見られない。前作から1年以上の歳月がかかっている割には、この“変わらなさ”は異常と言ってもいい。
 だが、ユーザーのニーズを含めて考えると話は180度変わる。筆者の知る限り、「逆転裁判」シリーズを遊んだファンから一番多く聞かれる声は、「早く新しいシナリオで遊ばせて欲しい」というものだった。

 私も同意見。ゲーム性自体の進展も歓迎だが、新しいシナリオへの期待もゲームの楽しさには大きい。ゲーム性自体の進展というのはそんなに次から次へとあるものではあるまい。
 しかしファミコン以来、ゲームは常に進歩するメディアだった。進歩が宿命づけられていたとも言える。
 だから批評子はこう書く

 ただ、作り手の姿勢としては、もっと強気に新しいものを盛り込んでいって欲しかった。このレビューを書くにあたっても、「逆転裁判」というシリーズを強くオススメすることはできても、「逆転裁判 3」という単品タイトルでどこが凄い、とは語りにくい。

 つまり「批評しづらいんだよね」ということだろう。でも面白いシリーズの続作はまたまた面白い。それでいいのではと思う。ストーリーだって新しいひねりが加えられているし、キャラだって今までにない突飛な登場人物もでる。そのレベルでの批評やレビューこそ必要なのではないだろうか。

 新しい技術を取り入れたり、新しい仕組みを作ったり、これでもかこれでもかと新機軸を出す。それがゲームを進歩させてきたことも事実だが、一方でそういうことを追求し過ぎて袋小路に入ってしまったのはないか。そういった仕組みや技術、新機軸の中に詰まった内容こそ大切にしなければならない。

 その意味ではこのゲームが売れていることは好ましいことだろう。

→GAME Watch GBAゲームレビュー「逆転裁判 3」

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貸与権管理センターの事業モデル

 2月9日の「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」の総会で「貸与権管理センター」の事業モデルが少し詳細になってきた。(『新文化』2004/02/19)
 それによるとセンターは7月設立、事業モデルの詳細は以下のようになる。

  新刊コミック貸出禁止期間 3ヶ月
  書籍貸出禁止期間     6ヶ月
  レンタル許諾料      本体価格と同額

 レンタル許諾料が本体と同額ということはレンタル業が流行っても収入が増えるということにはならない。貸出禁止期間を設けることで本の売り上げを増やそうということだ。
 「レンタルがあるから新刊が売れない。だからレンタルは禁止」というレンタル迷惑論から一歩も踏み出していないように感じる。レンタルという仕組みをもっとビジネスに活かそうという視点が欲しい。
 さてこれでコミックの売り上げが復調するのかどうか。貸与権管理センターは許諾料で運営可能か。著作権料が少しでも著作者に戻るのか。結果は目に見えている気がするが…

「貸与権管理センター」の事業モデルについては以下
文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第6回)議事要旨-資料2-2:「仮称:出版物貸与権管理センター」設立準備スケジュール(案)

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2004.02.19

BBeB辞書!?

 ソニーからメモリースティックを使ったコンテンツ入れ替え型のIC辞書が発表された。(2004/2/17)
 コンテンツ入れ替え型にも興味があるが、別売メモリースティック辞書の型番に注目。たとえば「ホームドクター&レジャー実用大宝典」の型番は『BBEB-D002S』。このBBEBもしかしたらBBeB!?
 ソニーが春発売するといわれる電子書籍ビュアは辞書引きができる。そしてそのフォーマット名はBBeB(Broad Band e-Book)規格なんですよね。
 まずは辞書からひそかに発進ですね。

→プレスリリース News and Information 34辞書データを収録し"メモリースティック-ROM"を差し替えることで、欲しい時に必要な辞書データを増やせる電子辞書など、3機種 発売

→ASCII24 BBeB規格を採用した電子出版新会社“パブリッシングリンク”を設立

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50冊辞書を搭載したIC辞書

 カシオから50冊辞書を搭載したIC辞書 XD-W6400 が発表された。(2004/02/10)
 50冊に唖然…。
 搭載冊数競争も行き着くところまで行き着いた感あり。

 それでも分野がバッティングしないように選択されているので、国語辞典なら広辞苑だけ。大辞林を引き比べたり、新明解の解説を楽しんだり、明鏡で用法を確認したりというわけには行かない。

 たしかに格安感もあり多辞書搭載が売り物になっているのは事実だが、そろそろ違う路線もあってよいと思う。

CASIO [ News Release ] - 業界最多50種類の辞書を収録した電子辞書

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2004.02.18

音楽CDの逆輸入制限

 文化庁が音楽CDの海外版の日本への逆輸入を一定期間に限り差し止められる制度を導入する方針を決めたようだ。時限的な立法で公取委と調整したように見える。

 この問題、私の疑問は何でこんなに10倍もの価格差があるのか?だった。海外で安く売れるなら国内でも同じ値段になってもよいはず。レコード会社がそんなに暴利をむさぼっているの?プレス費用だって国内と海外でそんなに違うとは思えないし。

 少し考えてみたらすぐ分かった。10倍もの価格差が生じる理由は直接原価が少ないこと。CDの製造原価はたいへん低い。原価のほとんどは著作権とそのCD製造前の工程で発生するはずだ。ランニングコストを割り込まない範囲なら一部で安売りをすることが可能になる。
 したがって中国では120~150円の海賊版に対抗するために300~400円の政策的な低価格を実施したり、各国のGDPからレコード販売価格を決めたりということが行なえる。しかしこれらは政策的な価格であり全体の経費を回収するためには国内の価格は高く設定せざる得ないということだろう。

 なるほど納得だが、国内の消費者からは(当たり前だが)不評である。レコード会社から言わせると「海外へ市場が広がれば国内の価格も下げることが可能です」となるが…。

 一方でネット配信が普及するのだからこういった規制には意味がないという意見もある。ネット配信でレコード会社が中抜きになれば、どちらにしてもレコード会社は危機になるという点ではこの意見は分かるが、ネット配信なら中国でも日本でも300~400円で売れるという話にはならない。だからこの意見は価格差を論議する場では的外れだろう。

 問題はレコード会社は必要か不要かの論議ではないのだろうか?電子出版では出版社不要論があり、音楽ではレコード会社不要論がある。いったい不要なのか必要なのか。必要とするならどうしたらよいのか。
 レコード業界についてはよく分からないが出版という場に身を置いている私には非常に気になる話である。

→少し前の記事だがMainichi INTERACTIVEに詳しい解説がある。 Mainichi INTERACTIVE カヴァーストーリー
文化審議会の2004年1月14日 答申
文化審議会著作権分科会報告書(案)

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2004.02.12

「おすすめ」情報

 ネット上のお店で良く見かける「おすすめ」情報に関するアンケートが載った。私の場合amazonでの買い物で良く接する。「この本を買った人はこんな本も買ってます」という情報もある。コンピュータがアルゴリズムで選んでいるから当たっている場合もあり外れている場合もある。
 アンケート結果は年齢が上がるにつれ「押しつけがましい」という反応が増えるようだ。一方で10代は「歓迎」が5割強。ネットワーク度とでも言えばいいのかな?何か分かる気がする。
 D喫茶の「サイズは何にしますか?」やMの「ポテトフライはいかがですか?」よりは遥かに問題ない。

C-NEWSと日経産業新聞が行なったネット1000人調査

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携帯コンテンツ利用者調査

 携帯コンテンツの購入動向について三菱総合研究所から調査結果が発表されている。

MRI | プレスリリース | 利用者は携帯コンテンツを慎重に見極め・一般サイトでは無料以外の魅力も高まる~第5回携帯電話コンテンツ/サービス利用者調査結果より~

 携帯コンテンツはどんなひとがどう買っているのか?どうらや10代20代が中心のようだ。男女の差はあまりない。
 コンテンツを選ぶ基準。結果は値段と内容―当たり前の結論かだなー。
 どこで知るのか こいつが一番大切だ。結果は携帯・PCのインターネット、口コミ。


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2004.02.10

どこでも読書

 PDAブックのミュージック・シーオー・ジェーピーが携帯向けの電子書籍配信「どこでも読書」を始めた。auの次世代携帯「WIN」向けEZweb公式サイトからアクセスできる。
  配信の方式はふたつ用意されている。ひとつは一冊ごとに購入する方法、もうひとつは会員制月額315円で読み放題というもの。

 PDAブックはケータイBookクラブというAU向けのブッククラブを昨年の6月より運営している(→リリース)。こちらは自分の好みにあわせて選んだコース内の作品は読み放題という内容。
 今回の「どこでも読書」はau Win版対応一冊づつ購入という方法の追加だ。

 会員制の部分はいわゆるブッククラブ方式だ。ブッククラブは印刷本の世界でもけっこう昔から行なわれている。

  「会員制による出版物通信販売組織。書籍流通の新ルートとして欧米諸国でさかん。会員はクラブ選定本から年間所定点数以上を注文し,クラブ版は原則として独自の装丁で市販本より安く配布される。」≪学研新世紀ビジュアル百科辞典≫

 この説明にも「欧米諸国でさかん」と書かれているように実は日本では成功していない。人の推薦本を読むという枠組みが嫌われている、もしくはまたアメリカのように書店まで行くのはたいへんという土地柄ではないことが影響しているとも言われている。少なくともわれわれの読書習慣の中にはブッククラブの本を読むという習慣はない。

 今回の一冊づつ購入メニューの追加はそんなことも影響しているのだろうか。

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2004.02.06

チラシ系

 これでもかこれでもかと商品を並べて売るWebのモールデザインを「チラシ系」というらしい。楽天のベストショップを決める「ショップ・オブ・ザ・イヤー2003」の上位3軒のようなサイトを指すらしい。
 ARTIFACT -人工事実- | ネットショップのサイトデザイン
 デザイナーさんからは少しため息が聞こえる。(チラシを要求するインターフェイス)

 ブックデザインの世界でもこれはある。大量に本がならぶ書店で、少しでも目立たせようとしたら「きれいなデザイン」では負ける。上がってきたデザイナーの作品を壊して大きな字、目立つ色にしたほうが勝つ。手元に置いておきたい本、書斎にあるとフィットする本は本屋の店頭ではまず埋もれてしまう。デザインと商売って微妙に相性が悪い。

 ところで私の知る限り本関連で一番徹底してチラシ系をやっているのは10daysbookだ。量に圧倒される。何か読みたいマンガがありそうな気がする。このトップページ気にいってる。

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アナログコピーさえ防止!?

アナログコピーさえ防止できる、画期的なCD複製防止技術 - CNET Japan

 何かすごい技術なのだろう。しかしMDなどの機材には私的録音のための著作権料が含まれている。こいつはどうするのだろう。私的録音はいつ禁止になったのだろうか。アナログでキャプチャしてそれをデジタル化すればコピーは無限という理屈だろうが…。う~む。

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無音の曲を本当に販売

何も聞こえない!--無音の曲を本当に販売しているiTunes Music Store - CNET Japanの記事。


 冗談っぽいが本当の話のようだ。

> Appleによると、曲の大半はアーチストがアルバムの一部として意図的に無音を入れていて、
> レコード業界が販売可能な音楽トラックの形でこれらの曲をAppleに提供したためだという。

 シングルとして無音の曲が発売された例もあるらしいから無音も立派な音楽芸術なのだろうが、大半は意図せざる分断発売。ネットは情報を単位でバラバラに流通させるが、編集があってはじめて成り立つものもあるってことだ。

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富士通 アドビ NewsML

 XMLから組版の実用化はちゃくちゃくと進展中。大所がNewsMLでタッグを組んだ。
ASCII24の記事↓
富士通と米アドビ、NewsMLに対応した次世代新聞組版ソフトの開発で協業

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2004.02.05

成人識別機能

 成人識別機能付たばこ自販機という機械が開発されていることを知った。ICカードを使い成人であることを示さないとたばこが買えない自販機だ。そういえば以前伊豆で免許書を入れないとお酒が買えない自販機があった。指示どおり免許書を入れても何故か認識されず、淋しい一夜を過ごす羽目になったが。
 たばこやお酒は20歳になってからの徹底と自動販売機の便利さを調和させるにはこんな機械も必要なのかも知れない。私自身は高校の頃たばこを隠れて吸っていた口なのでちょっと複雑な思いがしますけど。

 成人識別といえばアダルトチェックという仕組みがネット上にある。この仕組みにも初期の無料時代にお世話になったことがある。私自身は有料になってからは利用していないが今でもけっこう繁盛しているようだ。
 この仕組みはクレジットカードの番号で年齢をチェックし、会費を支払うと加盟サイトにアクセスできるIDバスワードが発行されるというもの。会費は年10~20ドルという感じだ。

 公的個人認証、著作権保護等々、インターネットは認証社会の側面がどうしても必要になるようです。匿名性という側面と個人認証が必要な側面とどう折り合いを付けていくのか。難しい問題だと思います。

日本自動販売機工業会のページへ
毎日インタラクティブの解説記事
→アダルトチェックの解説ページ All About AVS

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2004.02.03

VR利用の電子書籍

 慶応大学で行なわれているVR利用の電子書籍の試みが日経産業(2004/2/3)の記事で紹介されていた。

 白地の本を持ちヘッドマウントディスプレーでそれを見ると白地の上に本の画像が浮かび上がるというもの。紙の上に画像がぴったりと重なるので実際の本のようにページをめくる感覚が再現できるという。

 白地の本といってもページ番号などが記述されたものらしい。慶応大学はグーテンベルクの42行聖書など希少本を集めているが、その研究に役立たせようというもの。希少本はめったなことでは現物を手にできない。ページをめくる感覚などを現物を使わずに体験できる点で優れているということだ。

 これは研究用の話だから古い本をめくるような感覚をVRで再現となるのだが、普通の読書にはそんな感覚を再現する必要はない。電子本が本をシミュレーションしてもあまり意味はない。

 でも読書にヘッドマウントディスプレーを使う点は魅力だ。昨晩も明け方まで本を読んでしまったのだが、寝ながら本を読むのはけっこう姿勢がきつい。眼鏡の上に小さな装置があるだけのディスプレーなども研究されているから通勤電車の中の読書なども手放しでできる。
 読書専用端末もいいが本の形やパネルという形状にとらわれず、解像力の高いヘッドマウントディスプレーを使うものが発表されてもいいのだが。ヘッドフォン・ステレオならぬヘッドディスプレイ・ブックです。

島津製作所のヘッドマウントディスプレイ SVGAフルカラー USB接続と魅力的だが19万円は少々手が出ない。

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2004.02.02

画像フォーマットの価値

 電子出版では画像派とテキスト派が争っているなどと面白おかしく紹介されたりするが、それぞれ持ち場が違うのだと思う。
 私自身はテキスト派だが次のような事例を見ると画像フォーマットは意味があるなぁと感心する。
 一昨年倒産してしまった社会思想社。現代教養文庫というたいへん貴重な文庫を持っていた。これを再度世に出そうとしてもなかなか紙の本では採算がとれない。そこで画像フォーマット電子書籍での再発売という話だ。

 「新文化」(2004/1/29)によれば10daysbookで画像フォーマットでの電子書籍販売、紀伊国屋ではブックオンデマンドによる印刷本の販売を2月下旬から開始するという。
 画像フォーマットはなんといってもコストがかからない。これを復刊するとしてテキスト化などはとうてい不可能だろう。

 Web上ではまだ記事が見当たらないが10daysの中に少し触れられていた。

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テレビゲームの展覧会レベルX

 テレビゲームの展覧会レベルXへ行ってきました。
 ファミコン発売(1983年7月15日だったかな)から20年ということでテレビゲームの歴史を振り返るという趣旨です。

 展示のほとんどはゲームのパッケージで、興味がない人には面白くないかも知れませんが、テレビゲームとともに育った世代には相当受けるようです。
 ショーケースの中のパッケージを見る黒山の人だかり。懐かしいゲームをみながらみんな仲間と話しています。おしゃべりをしながら見るのが当たり前という展覧会でした。
 展示してあったのはパッケージではなくて、それを見ながら話に花を咲かせる観客だったのかも知れません。

 私はテーブルゲームやアーケード時代は少しばかりはまっていました(ゼビウス辺りが最後かな)。 でもテレビゲームはつい最近まで手を出していませんでした(最近は少しはまってます)。そういった意味では場違いな人でしたが、隣の業界という意識は昔からあったのでけっこう楽しめました。

 20年の歴史の中から1200タイトルくらいが展示してあったのですがやはり数に圧倒されました。リメイク版やシリーズなど20年も続いているタイトルがあるかと思えば、一度きりでなくなってしまったタイトルもあります。20年間さまざまなトライが続けられてきたのでしょう。見ながらこれらのゲームをやってみたいなぁと思いました。でも不可能なのです。

 最近ゲームボーイアドバンスの「逆転裁判2」というタイトルを楽しみました。面白かったので「逆転裁判」の最初の版を探したのですが売っていません。中古屋でも見つかりません。
 そうこうするうちに「逆転裁判3」の発売を記念して、最初の「逆転裁判」を再発売。それでようやく手にできたのですが、あまりに寿命が短かすぎないでしょうか?売れなかったタイトルではありません。短命が非難される本の世界でもこんなことはないでしょう。

 ゲームの流通ってどうなっているのでしょうか??古いゲームは存在すら消滅してしまう。もしかしたらこれはたいへんもったいないことなのかも知れません。中古ゲーム裁判のようにゲームの流通はデジタルが故の窮屈さがあるのは理解できますが…

 ゲームアーカイブプロジェクトという動きもこの展覧会の後援団体リストから知ることができました。たいへん貴重な動きだと思います。

 でももっと大切なのはひとつの作品が長期間に渡って商品として流通しつづけることではないでしょうか。

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「二画面」新携帯ゲーム機 【補足】

【補足です】
 東京写真美術館でやっているゲーム展にいったら、20年も前のゲームウォッチに2画面版があったことを発見。あの頃はあまりゲームに興味がなかったから知りませんでした。「マルチスクリーン」というんだそうだ。
 芸魔の館(S.NODDYさん)のGAME&WATCHに解説やリンクが載っています。

「二画面」新携帯ゲーム機の補足です。
ゲーム展は2月8日(日)まで。恵比寿の東京写真美術館でやっています。

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だからWinMXはやめられない

 インプレスから出た「だからWinMXはやめられない」という電子本を読んだ。
 最近は電子本はほとんどケータイで読んでいる。小説ではないのでちょっときついかなと思ったがXMDF版を文庫ビュア搭載のボーダフォンJ-SH53で読んでみた。

 この手の本は小説と異なり前後に戻ったり、目次構成を参照したり、註を参照したりという読み方をする。この本も註は多かった。ケータイでは無理かと思ったが編集部の作り込みがよく、ストレスなく読了した。

 編集部の作り込みといっても簡単なこと。目次から見出しにリンク、本文から註釈へリンクは当たり前として(これすらサボっているものも見かけるが)、註釈から参照した本文への戻りリンク、本文中の見出しから目次の該当個所への逆リンクが貼ってある。
 簡単なアイデアだが、編集の親切心がたいへん役に立ちました。感謝です。

 肝心の内容??「おもしろかったですよ」とは立場上大声ではいえない。何しろP2Pファイル交換ソフトの実体験ですからね。テラ・バイトの交換ファイルを集めた!! まさに「問題の書」ですよこれは!!

本の売り場
まずはシャープのケータイで読んだのでシャープスペースタウンの売り場を紹介
PDF XMDF版 パピレスでも販売してます
Adobe Acrobat Reader版はインプレスダイレクトで販売中
紹介しなかった電子書店さんでも扱っていますよ。もれた書店さんごめんなさい。m(._.)m


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エディティング機能の供給

 出版社という社会機能についてもっと考えなくてはならないと思っている。
 一部にタレントのような編集者もいるのだが、出版社の果たしている機能について一般の理解は少ないのではないだろうか。出版社の中にいる人もどんな社会機能を果たしているのか、必要なのか不要なのかについて考えたことはあまりないと思う。

 現在の出版社や本の流通は印刷本を前提に育ってきたものであるから、ネットワークの進展によって大きく変化する。もしかすると淘汰されることもあり得ると考えているが、出版社の果たしてきた役割がなくなることは致命的な社会的損失であると考えている。

 大阪市立大学の中野さんが「エディティング機能の供給」という言葉でその辺りを簡潔にまとめてくださっている。

2003年度 大阪市立大学 学術情報総合センター紀要 pp.73-85
無許諾複製の蔓延と社会情報のエディティング機能の供給
中野 潔

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